アルノルト・ベックリン

1827 – 1900

19世紀後半を代表する、スイス出身の象徴主義および世紀末芸術の画家。

デュッセルドルフの美術アカデミーで学んだのちローマへ渡り、古代ローマやイタリア・ルネサンスの芸術に深く傾倒した「ドイツ・ローマ派」の一員として活躍した。

初期は主に風景画を手がけていたが、やがて神話の登場人物や精霊たちを大自然の根源的な力と結びつける独自の作風へと移行する。

生や死、孤独といったメランコリックな主題を扱う一方で、時には同時代の人々を驚かせるほどの鮮烈な色彩を用い、神話の世界をグロテスクかつユーモラスに、あるいは皮肉めいた視点で生々しく描き出した。

風景とモチーフを単なる装飾としてではなく、観る者の深層心理や感情を強く喚起する「気分風景」として表現する手腕に長けており、その神秘的で謎めいた世界観は、後に登場するジョルジョ・デ・キリコやサルバドール・ダリ、マックス・エルンストといったシュルレアリスム(超現実主義)の芸術家たちにも多大なインスピレーションを与えた。

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