カロリュス=デュラン

フランス

カロリュス=デュラン

1837 – 1917

本名シャルル・オーギュスト・エミール・デュラン。フランスの画家であり、近代美術史において重要な役割を果たした美術教育者。

若い頃にイタリアやスペインを遊学して巨匠ベラスケスに深く傾倒し、その影響を受けた大胆な筆致と、人物の圧倒的な存在感を引き出す肖像表現で名を馳せた。

第三共和政時代のパリでは、上流階級から最も依頼が殺到する人気の肖像画家として活躍したが、家族や親友を描く際にはより自由で親密なスタイルを用いるなど、卓越した技術で描き分けを行っていた。

代表作のひとつである《接吻》(1868年)は、彼自身と新婚の妻(画家のポーリーヌ・クロワゼット)が情熱的に口づけを交わす姿を描いた二重肖像画であり、世俗的な愛を飾らずに表現した画期的な作品として知られている。

また、彼が開設した画塾では、事前のデッサンに頼らず直接キャンバスに絵の具を乗せ、離れた位置から全体のトーンを捉えるという実践的な手法を指導し、ジョン・シンガー・サージェントをはじめとする多くの優れた次世代の画家たちを育て上げた。

のちに国民美術協会の創設に携わり、ローマのフランス・アカデミー館長も務めるなど、当時のフランス美術界を牽引する重鎮として確固たる地位を築いた。

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