『「大嫌いな楽器」で書いた、最初で最後の祈り』「私は、ヴァイオリンという楽器が嫌いだ」フランスの作曲家フランシス・プーランクは、そう公言して憚りませんでした。 事実、彼が書こうとしたヴァイオリンのためのスケッチは、ことごとく彼自身の手で破り捨てられてきました。そんな彼が、生涯でたった一度だけ、重い筆をとり、一曲のヴァイオリン・ソナタを書き上げました。なぜ、彼はあえて「嫌いな音」を必要としたのでしょうか。銃殺された詩人への、遅すぎた贈り物1936年、スペイン。 ひとりの詩人が、38歳という若さで銃殺されました。フェデリコ・ガルシア・ロルカ。 自由を歌い、ギターをこよなく愛した、スペインの至宝です。その非業の死を知ったプーランクの心には、消えない火が灯りました。時は第二次世界大戦、ナチス占領下のパリ。不自由な暗闇の中で、彼は亡き友ロルカに捧げる曲を書くことを決意します。プーランクを動かしたのは、当時「天才」の名をほしいままにした20

戦争追悼近代音楽・現代音楽
『楽譜に刻まれた銃声と、ギターの涙』 プーランクが捧げた永遠の祈り
フランシス・プーランク
2026.4.29
ヴァイオリン・ソナタ FP 119 1943年作曲
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