『新世界から届いた、名前のない郷愁』「帰りたい。でも、今はまだ、帰れない」1892年、チェコが生んだ天才作曲家アントニン・ドヴォルザークは、大西洋を渡りアメリカ・ニューヨークに降り立ちました。当時のニューヨークは、超高層ビルが立ち並び、蒸気機関の音が街を支配する「新世界」。ボヘミアの素朴な農村で育った彼にとって、そこはあまりにも刺激的で、あまりにも孤独な場所でした。「鉄道」という、故郷への片道切符そんな彼が異国の地で心を寄せていたのが、「鉄道」でした。 ドヴォルザークは、音楽界でも有名な熱烈な鉄道愛好家。故郷プラハにいた頃から、毎日駅へ通っては機関車の番号を控え、時刻表を暗記するほどの熱狂ぶりでした。忙しい作曲の合間を縫っては、巨大なターミナル駅へ足を運んでいました。複雑な機械が規則正しく動く美しさに、彼は一種の「神聖な調和」を感じていたのかもしれません。この『新世界より』の第4楽章などで聞こえてくる、シュッシュッポッポという力

後期ロマン派 故郷郷愁
『誰の心にもある、帰りたい場所への祈り』ドヴォルザーク「新世界より」
アントニン・ドヴォルザーク
2026.5.10
交響曲第9番「新世界より」 1893年作曲
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