『言葉を捨てた、純粋な告白』ラフマニノフのヴォカリーズ

静けさ切なさ後期ロマン派

『言葉を捨てた、純粋な告白』ラフマニノフのヴォカリーズ

セルゲイ・ラフマニノフ

2026.4.23

ヴォカリーズ 作品34-14 1915年作曲

「どうして、言葉がないのですか?」1915年、ロシア。一人のソプラノ歌手が、書き上げられたばかりの楽譜を見て、不思議そうに尋ねました。そこには、美しい旋律が綴られているだけで、歌い手が発音すべき「歌詞」がどこにもなかったからです。その問いに、作曲家セルゲイ・ラフマニノフはこう答えました。「言葉なんて、いらない。あなたの声があれば、言葉よりもずっと多くのことを語れるのだから」そうして生まれたのが、母音だけで歌われる名曲『ヴォカリーズ』です。ラフマニノフは当時、ロシアで絶大な人気を誇るピアニストであり、作曲家でした。けれど、その成功の裏側で、彼の心には常に、ある「重み」がありました。ロシア語で「トスカ(Toska)」。日本語や英語ではひとことでは言い表せない、精神的な渇望、深い悲しみ、そして「どこにも辿り着けない孤独」を意味する言葉です。この曲が書き上げられたわずか2年後、ロシア革命が勃発しました。ラフマニノフは、愛する故郷を追われ

続きを読むにはプレミアムプランへ

登録後すぐにアーカイブ全件を閲覧できます

既にアカウントをお持ちの方は ログイン

内容に誤りがある場合は こちらからご報告ください

あなたのノート

この音楽と絵画から、何を感じましたか?
美術手帳に書き留めておきましょう。

ノートを書くには登録が必要です。

無料で登録する

音楽とアートの物語が、
毎日あなたの元へ。

感じたことを、ノートに書き留めよう。
積み重なるほど、
音楽とアートへの解像度が上がっていく。

無料登録で読む