Widok wsi kieleckiej(キェルツェの村の風景)

1855年

故郷郷愁リアリズム

画面の3分の2を占める、明るい雲が浮かぶ広大な空。 砂まじりの田舎道の突き当たりにはポツンと一軒の農屋が建ち、遠くには小さな教会が霞んで見える。

オリーブグリーンや黄土色といった大地の色が溶け合い、手前には木の小橋、そして高くそびえる一本の松の木と水辺が描かれた、ポーランドのありふれた田舎の風景。

実はこれ、のちに「ポーランドのバルビゾン派」と称されることになる画家ユゼフ・シェルメントフスキが、まだ22歳の画学生だった頃に描いた初期の作品である。

貧しい家庭に育ち、地元のパトロンからの支援で美術を学んでいた彼は、この時期、故郷であるキェルツェ地方の自然をひたすらに歩き回り、その景色を自らの心とキャンバスに深く刻み込んでいた。

後年、彼は奨学金を得てパリへと渡るが、異国の地で重い病(結核)と闘いながら、決して叶うことのない帰郷への強い郷愁に身を焦がすことになる。

派手さのない素朴なこの風景画には、生涯にわたって画家の心を捉え、遠く離れた異国でも彼の心の拠り所となり続けた、母なる大地への深く静かな愛情がすでに満ちあふれている。

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ポーランド

ユゼフ・シェルメントフスキ

1833 – 1876

19世紀ポーランドを代表する風景画家であり、同国における写実主義の先駆者の一人。

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