Impression, Sunrise(印象・日の出)
1872年
感情印象派水面
青灰色の霧に包まれたル・アーヴル港と、水面にたゆたう小舟。 近代的な工場の煙突やクレーンがシルエットとなって浮かび上がる、都市の夜明けの風景。
でも実は、この絵が描かれた時、画家モネと彼の祖国フランスは、暗く厳しい時代を乗り越えたばかりだった。
普仏戦争の敗北による国家の荒廃と混乱。
さらにモネ自身も兵役を逃れて国外へ亡命するなどの苦労を重ね、保守的な美術界(サロン)からは作品を拒絶され続け、借金に追われる貧しい生活を強いられていたのだ。
そんな因習や苦難から抜け出すように、彼は故郷のホテルの窓辺に立ち、刻一刻と変化する夜明けの光を、ただひたすらに素早い筆致でキャンバスに描き留めた。
当時の批評家からは「描きかけの壁紙以下だ」と酷評された、未完成のような荒々しい画面。
しかし、灰色のスモッグを押し退けて昇るオレンジ色の太陽は、暗く沈むどころか、驚くほど鮮やかに輝き、生命力に満ちている。
どん底の時代を経て彼が描いたのは、ただの風景ではなく、傷ついた祖国の力強い再生への祈りであり、後に「印象派」という新たな時代の幕開けを告げる、希望の光そのものだったのかもしれない。
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