Nymphs Finding the Head of Orpheus(オルフェウスの首を見つけるニンフたち)

1900年

静けさ後期ラファエル前派神話

薄暗い森の奥深く、水辺に身を乗り出し、静かな水面をのぞき込む二人の美しいニンフ。

彼女たちの視線の先には、木製の竪琴(たてごと)とともに水草の間を漂う、一人の男の「切断された首」がある。

ギリシャ神話に登場する天才音楽家、オルフェウスの最期を描いた、恐ろしくも神秘的なワンシーンだ。

でも実は、当時の多くの画家たちが彼の「生前の輝かしい活躍」や「冥界での劇的な妻の救出劇」ばかりを好んで描いたのに対し、ウォーターハウスがあえて選んだのは、この残酷で悲惨な結末の場面だった。

最愛の妻エウリュディケを永遠に失ったオルフェウスは、深い絶望に沈み、他の女性たちからの誘惑をすべて拒絶した。
そのことで狂信的な女たちの激しい怒りを買い、無残にも八つ裂きにされてしまう。川へと投げ捨てられた彼の首と竪琴は、そのまま海を漂いレスボス島へと流れ着くのだが、驚くべきことに、その首は死してなお愛と悲しみの歌を口ずさみ続けていたと言われている。

ウォーターハウスは、この凄惨な殺人事件の直後を、暴力的で血生臭いパニックとしては描かなかった。

血の気を失った青白い音楽家の顔と、それを見つけたニンフたちの血色の良い肌との鮮やかな対比。
死の恐怖を前にして、ニンフたちの表情に浮かんでいるのはおぞましいパニックではなく、夢見るような同情と静かな好奇心である。

凄惨な死の結末を描きながらも、この絵がこれほどまでに静寂と美しさに包まれているのはなぜか。

それは、肉体が引き裂かれてもなお竪琴とともに歌い続ける彼の姿が、「決して消えることのない芸術の永遠性」を静かに証明しているからかもしれない。

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ラファエル前派の精神を色濃く受け継いだイギリスの画家。イギリス人の画家の両親のもとローマで生まれ、ロンドンの王立芸術院(ロイヤル・アカデミー)で学んだのち、自身…

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