「来年の冬までには、君のために協奏曲を書き上げるよ」1838年、29歳のメンデルスゾーンは、親友の天才ヴァイオリニスト、フェルディナント・ダヴィッドにそう手紙を書きました。溢れる才能を持ち、数々の名曲をさらりと書き上げてきたメンデルスゾーン。自分でも「すぐ書ける」と思っていたはずでした。けれど、結果的にその約束を守るまでに、6年もの歳月が流れることになります。「完璧」を求めた、親友との共同作業なぜ、これほどまでに時間がかかったのか。それは彼がこの曲を「ただの作品」ではなく、ダヴィッドという親友の魂にふさわしい、究極の贈り物にしようとしたからです。メンデルスゾーンは、何度も何度もダヴィッドに技術的な相談を持ちかけました。「ここの運指はどうかな?」「この旋律はヴァイオリンとして不自然じゃないか?」手紙を往復させ、楽譜を書き直し、妥協を一切許さない推敲が繰り返されました。1年が過ぎ、3年が過ぎ……。待ちわびる親友に対して、メンデルスゾ

情熱ロマン派友情
『人生の最後に間に合った、6年越しの贈り物』メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲
フェリックス・メンデルスゾーン
2026.5.6
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64 1844年作曲
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