Graziella(グラジエラ)

1878年


肩越しに振り返るその姿は、どこか夢見がちで純朴な雰囲気を漂わせている。でも実は、彼女は単なる風景画のモデルではなく、フランスの詩人ラマルティーヌが著した人気小説(『内密の話』)に登場する悲恋のヒロインである。

ナポリ湾で暮らすしがない漁師の娘(孫娘)である彼女は、身分違いの青年(物語の語り手)と出会い、叶わぬ恋に落ちてしまう。

アメリカの著名な女性収集家キャサリン・ロリラード・ウルフから注文を受けた画家ルフェーブルは、物語の中で美しくも儚い運命をたどるこの少女の姿を、みずみずしい筆致でカンヴァスに描き出した。

手元にある素朴な網と、背後に広がるナポリの雄大な風景。

ふと作業の手を止めて振り返る彼女の切なげな瞳の奥には、若き日の燃え上がるような恋心と、やがて訪れる悲しい結末への予感が静かに宿っているのかもしれない。

内容に誤りがある場合は こちらからご報告ください

19世紀フランスにおけるアカデミック美術を代表する人物画家。エコール・デ・ボザール(官立美術学校)にてレオン・コニエのもとで腕を磨き、1861年に『プリアモスの…

あなたのノート

この絵画から感じたことを、美術手帳に残しておきましょう。

ノートを書くには登録が必要です。

無料で登録する

音楽とアートの物語が、
毎日あなたの元へ。

感じたことを、ノートに書き留めよう。
積み重なるほど、
音楽とアートへの解像度が上がっていく。

無料登録で読む