Portrait of the Infanta Margarita(王女マルガリータの肖像)

1654年


透き通るようなサーモンピンクと銀色のドレスに身を包んだ、まだあどけない3歳の少女。 傍らの小さな机に置かれたガラス花瓶には、彼女の名前にちなんだマーガレットなどの花々が美しく生けられている。

スペイン国王フェリペ4世が目に入れても痛くないほど溺愛した愛娘の、愛らしい日常の一コマ。 でも実は、この無垢な肖像画には、危機に瀕していた大帝国の重い運命が託されていた。

王位継承者だった兄が急死し、当時のスペイン・ハプスブルク家を繋ぐ唯一の血筋となってしまった彼女。 この絵は、遠く離れたウィーンの宮廷にいる未来の夫(しかも実の叔父)に、彼女の健やかな成長を伝える「お見合い写真」として描かれたものだった。

ハプスブルク家の血の結束という重責を背負って15歳で嫁ぎ、度重なる出産の末にわずか21歳でこの世を去ることになるマルガリータ。 しかし、宮廷画家ベラスケスが柔らかな筆致で描き出したカンヴァスの中では、過酷な運命など知る由もない無邪気な少女のまま、今も永遠の輝きを放ち続けている。

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スペイン・バロック期を代表する画家であり、セビーリャに生まれマドリードで没した。

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